「いくら言っても、子どもが部屋を片づけない」
「散らかっている様子を見ると、イライラする」
そんな悩みを抱えているお母さんは、とても多いものです。
私自身もまったく同じ経験があります。
小さいうちは「まぁ、私がやってあげればいいか」と思えた片づけも、小学生、中学生になってくると、「そろそろ自分でやってほしい…」と思いますよね。
だからつい、「片づけなさい」って口に出てしまいます。
すると、返ってくるのはこんな言葉ですね。
「今やろうと思ってたのに!言われたらやる気なくなる!」
まるで、言った私が悪いかのような言いぐさです。
ムカッとしつつも、「こんな時、どう言えばいいんだろう?」と返す言葉に詰まってしまいます。

よくあるアドバイスでは、うまくいかない理由
一般的なアドバイスとしては、
「指示ではなく、お願いする言い方をしてみましょう」
「やってくれると嬉しい、という伝え方に変えてみましょう」
といった方法が紹介されます。
もちろん、これらも効果がないわけではありません。
でも実際には、
「普段使わない言い方は、違和感があって言いづらい」
「お願い口調になったところで、口答えされてやっぱりイライラする」
ということも多いと思います。
なぜなら、問題は“言い方”のテクニックではなく、その出来事をどう感じるか、というあなたの内側にあるからです。
子どもが片づけないことに「反応してしまう理由」
まず試してほしいのは、
「子どもが片づけない」→「だから私はイライラする」
という自動反応の流れを、少しだけ立ち止まって見つめてみることです。
「私は、なぜそんなにイライラするのだろう?」
と、自分に問いかけてみるんです。
最初に出てくる感情は、怒りや苛立ちかもしれません。
でも、そこで終わらせずに、もう少し深く掘り下げていきます。すると、
「私の言うことが無視されて、大切に扱われていない気がする」
「自分ばかりが家のことを背負っていて、報われない感じがして虚しい」
「子どもがきちんとできないと、母親として責められているような気がする」
そんなふうに、怒りの奥にある別の感情が見えてくることがあります。
それはもしかしたら、自分がこれまで抱えてきた思い込みや、小さな頃に受け取った「母としてこうあるべき」という無意識の刷り込みかもしれないんです。

感情にフタをしてきた「脳のクセ」
こうした思考のクセや感情の反応パターンは、脳の中に蓄積された記憶や思い込みによって、自動的に働いています。
過去に悲しみや無力感、自己否定などを感じた出来事が重なると、もう感じたくない感情にフタをしてしまうことがあります。
その結果、似たような状況に出くわすと、脳が「またあのときと同じだ!」と判断して反応してしまうんですね。
目の前の「片づけてくれない子ども」への反応は、過去に蓄積された感情が刺激されて起きている、というケースも少なくありません。
気になる現実が変わるとき
では、どうすればいいのでしょうか。
大切なのは、出てきた感情を無理に変えようとせず、そのまま受け止め、認めてあげることです。
イライラしてる自分、モヤモヤする気持ち、「なんで私ばっかり…」という思いがあるなら、その声に一度ちゃんと耳を傾けてあげてください。
「そんなふうに感じていたんだね」
「今まで、ずっとがんばってきたよね」
と、自分自身の心に寄り添ってあげることが、変化のはじまりになります。
そうすると脳が、「この状況はもう危険じゃない」と判断し、過剰な反応を起こさなくなっていきます。
自然と心がゆるみ、気にならなくなって、「片づけなさい!」と怒らなくてすむようになってきます。また、子どもが自主的に片づけ始めたりするという変化が、起きることもあります。

「問題」が「問題」でなくなっていく
ご相談くださった方のひとりも、最初は、子どもが片づけないことに毎日のようにイライラし、「片づけなさい!」と怒っては自己嫌悪に陥る…という状態でした。
でも、お話を伺いながらリーディングして、じっくり感情を見ていくと、怒りの奥にあったのは、「誰にもわかってもらえない寂しさ」でした。
そんな寂しさが隠れていたことがわかり、その思いを認めたとき、「自分が責められているように感じていたんだ」という気づきが起こりました。
すると、あんなに部屋の散らかり方が気になっていたのに、不思議と気にならなくなったんです。
そればかりか、子どもも少しずつ、自発的に片づけるようになったという変化が起きました。
「どうしてなのかわからないけど、自分の中のイライラがなくなってきたら、子どもの態度も変わっていったんですよね。不思議ですよね」
と、穏やかな表情で話してくださいました。
「自分を取り戻すこと」がはじまり
片づけだけでなく、人間関係や子育ての場面で「なんでこんなにイライラするんだろう」と思うことは、よくあるのではないでしょうか。
そういう時は、その出来事自体に振り回されるのではなく、自分の内側にヒントを見つけていくことがとても大切です。
思考のクセや感情に気づき、脳が反応するパターンをゆるめていくことで、目の前の「悩み」は、悩みではなくなっていきます。
そう、不思議ですが、子どもにイライラするときも、子どもを変えようとするのではなく、自分自身の感じ方や受け止め方を整えることで、家族の関係性そのものが、穏やかに変わり始めるんですね。
あなたの心が整って、あなた自身の毎日も、大切なご家族との時間も、もっとにこやかで豊かなものへと変化していきますように♡
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