私たちは日々、無意識のうちにさまざまな物事を「良い・悪い」「正しい・間違っている」とジャッジしながら生きています。
ジャッジするとは、人や物事に対して判断を下す、批判や批評をするということですね。
「良い・悪い」「正しい・間違っている」と判断するって、ごく自然なことのように思えます。でも実はそうではなくて、ジャッジすることは、私たちの脳や思考のクセになっているんです。
そしてそのクセが、知らず知らずのうちに自分自身を苦しめ、心を重たくしてしまっているかもしれないんですね。
今回はそんな「ジャッジの思い込み」から少し距離を置いて、心を軽くしていくヒントをお届けします。

脳は「自分の基準」で世界を見ている
私たちが何かを見たり、聞いたり、感じたりするとき、脳は過去の経験や身につけた価値観をもとに、瞬時に「これはこういうもの」という判断をします。
たとえば、誰かの言動を見て「それは非常識だ」と感じたとします。
その時あなたの脳は、これまでの経験や周囲から得た情報で作り上げた基準に照らし合わせて、「非常識だ」とラベルを貼っているだけなのです。
この基準は人それぞれ違います。
ですが、脳はとても巧妙に「この基準はみんなに共通しているもの」「これが当たり前の感覚だ」と思い込ませるんですね。
だから、「私が正しいのに、なぜわかってもらえないの?」「なぜこの人は、こんなことをするんだろう」とモヤモヤするようなことが起こります。また「なんで私だけがこんな目に…」と悩んだり落ち込んだりすることにもなるんです。
思い込みに気づくと心がラクになる
お恥ずかしいですが、私自身も、以前は「私の考えていることと、きっとみんなも同じはず」と信じて疑わなかった一人です。自分の基準は絶対だと思っていたんですよね。
そしてそれが、私が何をやってもうまくいかない原因になっているなんて、思いもよりませんでした。
でも、あるとき目にした文章に、ハッとしたんです。
「あなたにとっての『当たり前』は、他の人にとっては『当たり前』ではないのです」
書かれていることを理解した瞬間、それまでの自分の傲慢さに気づいて顔が赤くなりましたが、同時に視界がパッと広がったような感覚がありました。
そこから、少しずつ「これは私の思い込みかもしれない」と立ち止まるようになったんです。そして、周りの人が自分とは違う見方、考え方を持っていることを受け入れられるようになっていきました。
そうすると不思議なことに、これまで悩んでいたことや、ぶつかっていた人間関係のストレスが、驚くほど減っていったんですよね。

「ジャッジしない」ことが、自分を大切にすることに繋がる
私たちはつい、良し悪しや正しさを決めることで、安心感を得ようとします。
けれど、その基準で他人を測っているときって、実は自分自身のことも同じ基準でジャッジしているんですね。
「私はもっと○○であるべき」
「私はこんな自分じゃダメだ」
そんな風に、自分自身を否定したり責めたりするのも、実は同じ思考のクセから生まれています。
だからこそ「ジャッジしない」という選択は、自分を責める思考のクセをゆるめ、自己否定を解いて自分を認め、大切にすることに繋がっていくんです。
家族や身近な人とも「違っていて当たり前」
これは子育てやパートナーシップにも、とても大切な視点です。
たとえば、親子であっても、思考のクセや価値観はまったく同じということはありません。息子さんには息子さんの、娘さんには娘さんの、その人だけの考え方や感じ方があります。
親だからといって、その考えや価値観を変えさせることはできないし、する必要もないんです。
「違っていて当たり前」という視点を持つことができると、家族との関わり方もぐっと楽になります。

思い込みの枠を外すと、運気も上がっていく
「ジャッジしない」生き方は、自己否定の思考や脳の思い込みを、一枚一枚はがしていく作業でもあります。
すると、自分の中にあった小さなこだわりや、不必要なストレスが消えていきます。そして、自然と心がクリアになっていくんですね。
心が軽くなると、面白いほど物事がスムーズに流れはじめます。
「そういえば最近運がいい」「タイミングよく出来事が起こった」と感じることも増えていきます。
あなたも、ほんの少し「ジャッジしない」を意識してみてください。
あなたの毎日が、今よりもっと軽やかで、心地よいものに変わっていくはずです♡