夜、布団に入って心地よい眠気に包まれるあの瞬間。
とろ〜んと体も心もゆるむ感覚って、なんともいえない気持ち良さですよね。
でもその心地いい時間、あなたは頭の中に内を思い浮かべているでしょうか?
「今日はあんないい方されてムカついた…………」
「明日会うクライアント、苦手だなぁ……」
そんな風に、心配事やモヤモヤした出来事を思い返していませんか?
眠りに落ちる直前の心地いい瞬間って、実は私たちの脳にとって、とても大事な時間なんですよね。その時どんなことを考えているかが、自分の現実に少しずつ影響を与えているんです。

脳波と「寝入る瞬間」の特別な関係
私たちの脳は、神経細胞が活動する時に微弱な電気信号を発生していて、これを脳波と言います。普段、私たちが起きて活動しているときは「ベータ波(β波)」という脳波の状態。思考が活発で、頭がフル回転しているような状態です。
それが、布団に入ってウトウトし始めると、脳の活動が次第にゆるんでいって、「アルファ波(α波)」や「シータ波(θ波)」という状態に近づいていきます。
特に、寝入る瞬間のとろ〜んとした状態では、脳波はシータ波になっています。シータ波は、深い瞑想状態やひらめきの瞬間、そして夢を見ているときなどに現れる脳波です。
シータ波になっているときって、普段はアクセスしにくい「思い込みを生む脳の深い層」に、思いや感情がスッと入り込みやすくなるんですね。
寝入る前の思考が、翌日を形づくる?
では寝入る直前に、心配事やイヤだった出来事、人への不満などを思い浮かべていたらどうなるでしょう?
その感情や思いが、脳の深い部分にすっと入り込んで刻まれます。そして、「また同じような不安や不快」を引き寄せる思い癖を強化してしまう可能性があるんです。
もちろん、「すぐに悪いことが起きる」というわけではありません。だけどシータ波になっている時、脳はとても素直に、そのとき感じた気分やイメージを取り込みます。そして、その気分やイメージを再現しようとする働きがあります。
そう考えると、せっかくのこの大切な時間には、できるだけ気持ちの良くなることを思い浮かべていたいですよね。

執着にならない、心地よい思考のヒント
「じゃあ寝る前に何を考えたらいいんだろう?」と迷うかもしれません。
でも、「何かいいことを考えなきゃ」って力む必要はないんです。ただふわっと、心地よい気分を味わうイメージで大丈夫。
たとえば──
- 「今日もあたたかいお布団で眠れるって幸せ」
- 「今日の晩ご飯、ほんとおいしかったなぁ」
- 「あの人に言われたひと言、とっても嬉しかったな」
こんなささやかな幸せを感じながら、心地よく眠りに落ちていけばいいんですね。すると脳は、「安心感」や「満たされる感覚」を深く記憶してくれるはずです。
朝の目覚めの時間も、実は同じ
朝、眠りから少ーしずつ覚めていく「ぼんやりした時間」。その時も、脳は寝入る前と同じようなシータ波状態になっています。
ただ、朝はつい、「早く起きなきゃ」と気が急いてしまうかもしれません。寝入る時間のような気持ちの余裕がないことも多いですね。
だからまずは、夜、眠りに落ちる前に思い浮かべることに、ちょっとだけ注意を払ってみてはいかがでしょう。
私たちは「変わりたい」「もっと良くなりたい」と思うと、つい何か特別なことを頑張らなきゃ、と思いがちです。
だけど、こうした日々の小さな習慣の積み重ねは、脳が抵抗せずに新しい思考を受け入れてくれます。また自分自身とつながりやすくしてくれて、少しずつ変化を起こしていくことができます。
ぜひ今夜から、寝入る瞬間を、ふわっと心地よさを味わう時間にしてみてくださいね♡